変化球
木工の世界は「アイデア勝負」なのだそうです。以前、お客さん
からとあるお店のオーナーさんの話し、として教えて頂きました。
なるほど、とも思う。確かにこんな狭い世界の中にも「流行り」
というものは存在していて、何となく肌で感じ取ることができな
くもない。何度もここで書いてきた記憶があるのですが、僕が木
工を始めた頃は「テクスチャー」の時代でした。簡単に言うと彫
り跡がなければ木工にあらずってな風潮。そして皆が皆、カトラ
リーをつくっていた(笑)。15年近くの時間をかけて、「新し
いもの」を生み出そうと切磋琢磨した結果が「アイデア勝負」と
いう風に見えたのなら、それはそれで仕方がないのかも知れない。同時に、それよりも僕がここ数年感じているのは、流通側の変化
の方かも知れない。今現在も尚、隙間産業であることに疑いはな
いけれど、いつの頃からか我々のつくり出すものが「商材」とし
て広く認知されるようになり、「金にならない世界」という認識
に変化が現れてきた。これは偏に、遥か雲の上におられる諸先輩
方のお陰なのだけれど、同時に敏感な経営者、ビジネスパーソン
を呼び寄せる結果に繋がりもした。個人的なイメージなのですが、
ギャラリーのオーナーさんと言えば、食えない作家に一筋の光を
見出し、叱咤しつつも激励を忘れない。やがて食えるように、評
価を得るようになるまで育て、面倒を見る。そんな「昭和」の臭
いを連想してしまうのですが(古!)、「商材」はあくまで「商
材」、「ビジネス」はあくまで「ビジネス」でしかなく、そこに
あるのは売れるか売れないかの二者択一。情感に乏しい関係性が
ものづくりの世界にも幅を利かせてくるようになってきた。一つ
訂正です。「流通側の変化」と書きましたが、作家の中にもビジ
ネスライクな、それでいて政治的な動きまで器用にこなす人々が
出てきておられる気もしています。ものづくり業界も、新たな局
面を迎えているのかも知れませんね。どうにも他人事気分ですが。

脱サラ組の悲しい性か、どうにも業界を俯瞰してしまいます。こ
れ以上ないってくらいシンプルな商売がしたくて木工を始めたの
に、やっぱり世の中はそんなに甘くはないようです(笑)。元々
器用じゃないし、変化球なんて苦手な方ですし、これまで通り実
直に、コツコツやって行こうと思います。梅雨も明けたみたいだ
し、来る本格的な夏に向け、頑張りましょ!熱中症にはご用心!













 
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