菓子切り
たまにしかつくらないものをつくる時、少しだけ緊張する。図面
やサンプルや型(ゲージ)、治具などをながめ、暫し手順と感覚
を取り戻す作業に耽る。だいたいつくり始めると色々思い出した
りして、後は勝手に手が動いてくれる。でも時にはそんなタイミ
ングで「これ、こうした方が早いしキレイに加工できるやん」て
な具合に、新しい加工方法や工程の手直し、治具の修正に繋がる
ことがある。つまり、その時点ではまだ「完成」し切っていない
ということ。これを何度か繰り返してようやく、「定番」になる。この菓子切りも久しぶりにつくりました。まさに「つくりながら
思い出す」パターン。今回は12本を納める。加工の8割がフリ
ーハンドなのでサンプルを軸に、カタチを揃えることに注意する。加工方法を改めることはありませんでしたが(ほぼ「完成」して
いる、ということ)、なかなか肩が凝る仕事。でもキライじゃな
いです。こうやって並べて見ると、何だか僕らしいような気がし
ないでもない(笑)。この流れでご要望が多いカトラリーの世界
にも再び足を踏み入れてみようかな、という気分にもならなくも
ない。「やるなら余裕がある時だよね」ともう一人の僕。ヤル気
スイッチを探しつつ、でもその前に今日は冬用タイヤに交換です。











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cms(コージーメジャースプーン)のこと
コーヒーメジャースプーン。略してcms。定番として長くつくり
続けているモノの一つです。今また世の中的にコーヒーブームは
来ているのでしょうか?それとも一つのカルチャーとして完全に
暮らしに溶け込んだのでしょうか?美作の古家の低〜いアンテナ
では、世の中の流れが上手く拾えないのが歯痒い今日この頃です。この家に越して来て以来、コーヒー豆は生で大量に買い込み、台
所のコンロで「銀杏煎り」なる道具を使って自家焙煎しています。
オシャレでも拘りでもなく、単純に安上がりだから。でも普段か
らこうやってカジュアルにコーヒーを飲んでいると、本当に美味
しいコーヒーに出会った時の感動がより一層深まります。プロの
仕事に、改めて感銘を受けることも出来るのです。尤も、外でコ
ーヒーを楽しむ機会そのものが極端に少ないのが現実なのですが。

長くつくり続けていると、工程だけでなく、気をつけなければな
らないポイントなんかも手が覚えてくる。逆に言うと、それだけ
の失敗の積み重ねがあったということなんだとも思う。感慨深い。

出来上がったスプーンで豆を掬って計ってみたらちゃんと10gだ
ったので思わず「おおっ!」って叫んだら嫁さんに鼻で笑われて
しまった。そこは「スゴーい!」とかでも良い気がするけれど、
世の中そんなには甘くないってことなのね。悔し紛れに写真を撮
る。とても気に入っているカタチなので写真を撮るのも楽しい。
相変わらず、とても難しいけれど。でも必要以上に「良く」見え
なくてもいいと思うようになってきた。写真の上手い下手は抜き
にして、愛情を持ってつくっている様が伝わればと、心から願う。










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リレー
同じことを繰り返すのが苦手という人がいる。嫁さんがまさにそ
う。手磨きとオイル塗装、拭きあげを嫁さんの担当にしてもらっ
てから2年弱。お陰で製作の方に集中できる分、生産性は格段に
向上しました。とはいえ主婦業の傍ら、子どもの世話やら学校行
事やら習い事やら何やら何やら…思うように進まないのも既定路
線。周囲からは「専業主婦」と認識されているのかも知れません
が、彼女は立派な専従者。つまりは従業員、ワーキングマザーな
のです。確定申告に追われ、下の子のインフルに戦々恐々とし、
マイペースな長男を叱咤する今日この頃。頑張ってくれています。話しは戻って、手磨きの作業もたくさん溜まってくるとイヤにな
るそう。でもマメにこなせる余裕もなく、結局はある程度まとめ
てエイヤ!と始めるのがいつものパターン。最終的には「何日発
送で」というこちらのオーダーにキチンと応えてくれているので
大したものなのですが、さらに驚かされる(ちょっと悔しい)の
が梱包の丁寧さ。実は梱包・発送業務については以前から100
%嫁さん任せだったので、正直なところどのような梱包で、どれ
くらいの整頓っぷりで箱詰めされているのか把握できていません。
ただ、かなりの確立でお納めしたお店からのお礼のメールに「今
回も丁寧な梱包ありがとうございます」というニュアンスの一文
が含まれているのです。第三者の評価はなるべく素直に受け入れ
るように心懸けているのですが、僕としては知らないだけにむず
痒く、「やりおるな…」という気分になります。でもここは考え
ようで、丁寧な梱包には僕の仕事への「感謝と敬意」が表れてい
る、と信じることにします。強引に、前向きです。でもそういう
感情のリレーは、その先にも続いてゆくものなのかも知れない、
と考えています。イヤ、感じています。お店の方は勿論プロフェ
ッショナルなのだから、丁寧な梱包だろうがいい加減で雑な梱包
だろうが等しく接してくださるに違いない。でももし僕がその立
場だったなら、そこに「思い入れの差」みたいなものを感じ取っ
てしまうかも知れない。仮に僕が梱包していたら、そこまで丁寧
なものにはならないと思う(A型ですが)。多少の「気恥ずかし
さ」もあるし、「そんな大層なものでは…」という無意味な謙虚
さが滲み出てしまうに違いない(笑)。なのでウチに限っていえ
ば、つまりは「結果オーライ」なのです。分業制にして良かった。

今回も随分と長くなりましたが、そんな心地良い感情のリレーが
あなたのところまで届くことを、小さな作業場から願っています。















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book スツール
久しぶりに家具の仕事のお話しをしたので小さめですがもう一つ、
スツールのお話し。ちなみにこれはFOC倉敷関連。フィールドオ
ブクラフト倉敷では2日間の会期中、「F.O.C文庫」と銘打った
本屋さんがオープンします。青空の下、クラフトにまつわる本を
ご紹介するスペースで子ども達が座れる椅子を、とご依頼頂きま
した。屋外での使用が前提なので必然的にガタつきの出ない三本
脚仕様に、運ぶのが少しでも楽なようにスタッキングできるよう
に。ある程度の用途を限定すると、デザインは自ずと絞られてき
ます。つくり手にとってはありがたいことでもあったりします。
何となく本を置くための「ミニテーブル」みたいなイメージもあ
ったので、座刳り(座面を緩やかに凹ませること)は施さず平ら
なままに。ハードカバーを何冊か重ねて置くイメージ、かな?座
面は直径25cm、高さは30cm。スツールとしても小振りです。
モデルは我家のハルコお嬢、お父さんに厳しい5歳です。こちら
は今回「備品」として用意させて頂いたもので「売り物」として
当日販売の予定はありません。もしも気になる方がいらしたらお
気軽にお声掛けください。座刳り仕様も勿論可能です。気長にお
待ち頂ける方は特に大歓迎です(笑)。子ども達が座って本に見
入る姿を今から想像しています。大人が座っても大丈夫ですよ!

sinilintu 静岡県富士市
クラシノオト 相模原市
ti.po 和歌山市

納品させて頂きました。お近くの方、是非お運びくださいませ。










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一週間前
FOC倉敷本番まで一週間を切りました。さぞかしつくり込みに集
中している頃かと思いきや…。日曜は京都まで学習テーブルの納
品に行ってきました。学習机としての機能は最低限カバーした上
で「6・3・3で12年」とその先を見越して「テーブル」とし
ての機能を併せ持たせる。理想は結婚した後、子供が生まれるく
らいまではダイニングテーブルとして使えるイメージ。便利なコ
ンセントや何かは付いていません。長く使う上での判断なのです。
手前に見えるのは4年前に納品させて頂いたお兄ちゃんの学習テ
ーブル。久々の再会は何より嬉しいものです。キズや落書きもい
い味を出していて、個人的には一削りしてキレイにしてしまうの
が少し勿体ない気もします。落書きを卒業して若者としての落ち
着きを兼ね備えた頃、ご希望があれば全体をキレイに磨き上げれ
れば良いのかな、と。今回は以前2階に納品させて頂いていたお
兄ちゃんの机も移動し、ロフト部分に2台の学習机が並ぶ格好に。
末っ子くんが小学校に上がる頃にはどうなっているのでしょう…。

本来ならば入学に合わせて3月末頃には納品しなければならなか
ったのですが、色々と仕事に追われこんなタイミングになってし
まい申し訳なかったです。まあ何とか無事納品も済み、ホッと一
息一段落…とはいかない!冒頭にも書いた通り、FOC倉敷に向け
てのつくり込みに集中しなくてはなりません!眠れぬ夜の始まり
です。腱鞘炎との戦いです。自然(伸び散らかる雑草)との戦い
です!FOC倉敷が済めば取り敢えず出展イベントが落ち着くので
そこまではノンストップ!やり切って今年の前半戦を終えたいと
願っています。まあまだ6月が残ってはいるのですが…ね。









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コラボ
コラボレーション:異なる立場や人による「共同作業」や、その
「成果」のこと(三省堂辞書サイトより)。いつの頃からかすっ
かりと我々の生活に溶け込んでしまった言葉。個人的にはあんま
り直接的に引っ掛かってくるワードでもなかったのですが、この
仕事をさせてもらうようになってから向き合う機会が増えてきま
した。そして今回も、色々と考えてしまいます。コラボについて。
今回コラボさせて頂いたのは十河隆史さん。言わずもがな、な岡
山を代表する陶芸家さんです。そして「使い手」を代表して色々
とアドバイスをくださったのが料理教室viorto!を主宰されている
今枝ゆかりさん。コラボの要は、それぞれの能力が均衡している
こと、だとすれば(僕はそう考えています)完全に足を引っ張っ
てしまってます、僕。色々な面で力不足ではありますが、こんな
機会を与えてくださった「ハレマチ特区365」さんに感謝です。
いつもの通りと言いますか、十河さんから届いた器に合わせて一
つ一つ微調整しながら1〜1,5mmのクリアランスを設けて蓋をつ
くっております。樹種は特定せず、アソートで。タイミングもあ
りますが、数種の蓋の中からお好みの組み合わせをお選びくださ
いませ。ハレマチ特区365さんにて購入可能。十河さんや僕の
個展、企画展等でも販売させて頂く予定です。気になる方はお問
い合せください。「川口暮らふと」にも少しお持ちする予定です。

追記:画像の蓋はチェリー材。他にもコラボ小鉢など、あります。











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細々と…
テーブルなんかの家具類もつくっております。勿論、オーダーを
頂いた上でのいわゆる特注製作となります。お部屋の広さやご家
族構成、体格やお使いのお椅子に合わせた高さ設定などにもお応
えさせて頂きます。納期に関しては…広〜い心でご相談ください。
上の画像は納品からすでに一月ほど経ってしまったのですが、静
岡のO様からのご依頼分。小振りなサイズと低めの高さ、あとは
シンプルな4本脚で、とのご依頼。6月のバタバタで納期がズレ
込みご迷惑をお掛けしてしまったのですが、今となっては良い思
い出です。Semi-Acoの木の小物を手にして頂いたことが切っ掛
けで、今回のテーブルのオーダーに至ったとのこと。「家具をイ
メージできる小物づくり」は、僕が常々アタマの片隅に置いてい
る大切なテーマ。こういう風に現実のものとなり、納品に至り、
尚且つ喜んで頂けたことは何よりの励みです。タイトル通り、本
当に細々とではありますが、Semi-Acoは家具屋でもあるのです。
様々な種類の小物たちが、その入口となることを願っています。









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注文製作
前回の記事で掲載した画像もそうだったのですが、定番で製作し
ている角皿のアレンジ板というか、別寸での特注をお受けするこ
とが時々あります。個展等でご覧頂いてその場でご注文頂いたり、
時にはこのブログをご覧頂いてメールにてお問い合わせ頂いたり。
ちなみにサイズは400mm×300mm×25mm(手彫りの方)と
400mm×280mm×25mm(平面仕上げの方)。お盆と言った
方がこのサイズの場合はよいのかも。「大物」は迫力があります。
定番商品として数をたくさんつくるには少々勇気が要るサイズで
すが、需要があることは理解しました(していました)。今回は
手彫りがオニグルミで2枚、平面仕上げが山桜で3枚の計5枚を
製作し、和歌山と福岡にそれぞれ旅立っていったのですが、やは
り価格はそれなりのモノになります。でもそれに見合うだけの存
在感は十分あるのも事実。納期的な余裕がたくさんあられる方(
気長にお待ち頂ける方)のみ、お問い合わせ下さいませ。今はま
だ通常営業にまで流れを取り戻せておりませんのでくれぐれもご
了承ください。何とかこの夏の間に取り戻さなければ…です!










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納品 其のニ
こちらのご報告もずいぶんと前後してしまうのですが、小物類の納品も順次行って
おります。お店によってはフルラインナップという訳ではなく、限られた製品のみ
のお取り扱いという場合もございますが、気になる製品などございましたらどうぞ
お店の方にお気軽に声をお掛けくださいませ。可能なかぎりご対応させて頂きます。
吉祥寺「MARKUS」さん、岡山「ハレマチ特区365」さん、滋賀県野洲市「savi
no niwa
」さんに、それぞれお届け致しております。是非ともお運びくださいませ。
そしてもう1店、新たにSemi-Aco製品をラインナップに加えてくださったお店を
ご紹介。相模原市の「雑貨 クラシノオト」さん。2年前の「工房からの風」でお話
しさせて頂いていたそうです。「もりのにわ」さんのパンであったり「八木由美子」
さんの器であったり、僕たち家族も大好きなつくり手さんのものを取り扱っておら
れ、何というか、安心感を抱きました。個人的にはとても大切にしている感覚です。

有名なお店、有力なギャラリーでの展示を目指すつくり手の方も多いようですが、
僕にとっては例えば目線の高さであったり、物事を見る(感じる)角度みたいのも
のが近しいと感じられる方と一緒に仕事ができることの方がよっぽど意義深い。有
名かどうか、有力かどうかはあくまで結果論であって、最初の判断基準にはなり得
ない。こういう風に考えを文章に起こして見ると、サラリーマン時代の反動が色濃
く見えて新鮮です(笑)。やっぱサラリーマン向いてなかったみたいです僕(笑)。

5月末には久々に千葉まで遠征です。約1年半ぶりの関東。相模原は微妙ですが(
スミマセン!)吉祥寺には脚を運んでみようと考えています。春の全国ツアー(そ
こまでではない)を励みに、先ずは目の前の仕事を一つづつ、頑張って参ります!









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納品
1月中頃から準備に取り掛かっていたテーブル仕事。先週の日曜に無事納品を終え
少しだけ広くなった気がする作業場にて、もう一件の注文製作に勤しんでおります。
ご愛用のYチェアーにもしっくりと馴染むシンプルなテーブル。最近はこのタイプ、
「ロの字脚」でのご依頼を頂くことが多い気がします。使用する材の量が必然的に
増えるので多少割高感はあるのですが、この控えめな主張が「らしさ」に繋がって
いるのかな?と推察しています。何より喜んで頂けてホッと一安心。皆が笑顔です。
こちらは5年くらい前でしょうか、まだ僕が何者ともつかないような中途半端な存
在だった頃(今もそうなのですが)にご注文頂き、製作させて頂いたブルーレイラ
ック。当時は宅配便で納品させて頂いたので実際にご自宅にお伺いするのは初めて
のこと。久々の再会は、なかなか感慨深いものがあります。何かしらのオーダーを
頂いた後、再びお声を掛けてくださる。つくり手にとってこれほどの幸せはないよ
うに感じます。思えばこんなブログでしか情報発信していない個人のつくり手をフ
ォローし続けてくださるN様のようなお客様の存在のお陰で、こうして家族4人暮
らせてゆけるのだと考えると只々頭が下がります。手を合わせてしまいそう(笑)。

N様、今回もありがとうございました。本当の意味での「仕上げ」はお任せ致しま
す。ここからたくさんの時間を掛けて、本当の「オリジナルテーブル」へと育てて
やってください。キズも輪じみも愛嬌です。化粧直しは遠慮なくお申し付けくださ
い。喜んでお伺い致しますので。納品したてのテーブルで頂いた美味しいお茶とチ
ョコレートの味は一生忘れません。満ち足りた時間を、ありがとうございました。









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