ツバメのその後
にわのわに向けて出発する前に、帰ってきた頃にはツバメたちも
巣立ってしまっているのだろうな…などと書きましたが。それも
早一月半も前のこと。案の定、千葉から戻った後の作業場は静か
なもので、たまに作業場の中に入ってはくるものの再び巣に帰る
ことはなく、やがて庭に架かる電線からも姿を消してしまいまし
た。夏から秋を日本で過ごし、冬には南半球へと旅を続けるので
しょう。分かってはいたことなのですが、やっぱり少し寂しい…。でもこれも例年通り、まるで計ったかの様に「次の」ツバメがや
って来ました。5月に巣くうツバメよりも若干大柄なツバメ。正
式名称や詳細は分かりませんが、「小さいのが巣立った後、少し
大柄なのがやってくる」という7回目の初夏の慣例はすでに把握
しているところ。せっせと乾き切った去年の巣に泥を盛り、フチ
の部分を補修・増築し産卵。今ではヒナの声もしっかり聞こえ、
お尻をプリッと巣から出して糞を落としています。無表情でダラ
ーっとしているかと思えば親鳥が来た途端我先にと餌を要求する。
親鳥が去ってしまえば再びダラーっ…としたかと思えばお尻を出
してプリッ。無限ループ…。何時間でも見ていられるし、時間が
経つのを忘れてしまう。仕事しろよ、と自分に突っ込む。でもこ
んなにも小さな営みに心奪われるのも、人ならではなのだと思う。
ささくれ勝ちな心が和む、僕にとってとても大切な時間なのです。










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自然
怖くて長い七夕でした。5日から降り続いた雨はやがて大雨警報
に。6日は小学校も休校になり、子どもたちは普段と違う雰囲気
にソワソワ。でも案の定6日の夜から「万が一に備え公会堂にて
待機」と消防団の招集がかかり深夜までただただ待機。一旦は解
散となったものの、7日の夕方にもう一度招集がかかる。今度は
そのまま待機命令が解かれることなく翌10時半まで待機。解散
前の最後の巡回では土砂崩れによる道路の寸断を数ヶ所発見。山
間の集落なので水害に見舞われる可能性は低いのですが、土砂崩
れの心配は今後も続きます。この地に生まれ育った先輩も「こん
な雨は初めて」と言うほどの大雨かつ長雨。公会堂に集まった団
員のスマホ(僕のは携帯)が耳慣れない独特な音で警報や勧告を
知らせる。何とも落ち着かず、無力感ばかりを感じる重く長い夜。7日の11時前に家に戻り、PCで被害状況を確認する。絶句。倉
敷の、京都の惨状に言葉を失う。まさかここまでとは…。夜にな
って飛騨の友人からのメールで、今度は飛騨の宮川がヤバいこと
になっていると知る。長崎県、佐賀県、福岡県、広島県、岡山県、
兵庫県、京都府、岐阜県…。きっとそれ以外にも大雨の影響を受
けた土地はたくさんあったはず。ちょっと前には北海道でも大荒
れの天気だったし…。ただただ家族の無事に安堵するとともに、
被災された方々が一日でも早く日常生活を取り戻されることを願
ってやみません。僕の住む美作は今日も朝から雨。以前にも、何
度もここに書いた記憶があるのですが、自然はちっとも優しくな
んてない。ただただ抗えないひたすらに大きな存在であって、僕
らはそこにほんの少しの間間借りしているに過ぎないのだと、改
めて感じる。本能的にそう感じる。或はそう信じ込むことで現実
を受け入れようとしているだけのことなのか。家で静かに仕事を
向かいながら、消防団の招集に備えます。皆様もどうぞご無事で。










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僥倖
思いがけず、良い結果に恵まれること。偶然に得る幸運。そんな
一言では片付けられないようなコロンビア戦でした。メンタル面
での成長が著しい日本代表だった、というのが率直な感想。時間
の使い方が大人になっていた。色々あったけど、セネガル戦も応
援したいと思います。テレビがなくたって、TVerやNHKがネット
で中継してくれる世の中です。選択の幅が広がった以上、持たな
くても良いものを選ぶのもこれから先を生きて行く上で大切なこ
との様に感じています。なるべくなら、身軽で生きたいものです。春からの連戦(個展、二人展、野外展)のお陰で滞ってしまって
いた通常納品分の制作に追われています。外に出ることがない分
ヒゲは伸び放題でみっともない顔になってしまってますが、グッ
と引き篭もって制作に集中している期間も、個人的には大切です。

最近は本当に子ども達の方が忙しくて、週末は彼らの用事で駆り
出されるか、一人作業場に残って仕事するかであんまり遊んでも
らえません。カンタは来年中学だし、クラフト展に連れ回せるの
も10月の「工房からの風」が最後くらいかも。前回出展したの
は5年前のことで、ハルコは当時まだ2歳。さすがに嫁さんの実
家に預かってもらって嫁さんと2人で参戦しました。だから尚の
こと、今回は連れて行ってあげたい。しっかりと記憶に刻んでお
いて欲しい。世の中には、選択肢が溢れているのだということを。

僕は勉強に自信がない人間なので偉そうなことは言えないけれど、
子ども達にとっては最良のモチベーターでありたいと常々願って
います。押したり引いたり賺したり、可能な限りの可能性を体験
させ、子ども達の感性に引っ掛かるものを探し、切っ掛けを与え
る。学校の成績よりも、出身大学なんかよりも、生きてゆくため
に必要な知識や技能を、生き抜く能力を身につけて欲しいと願う。

きっとそういう人にこそ、僥倖は訪れるものだと思うから。












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心象風景
久しぶりにサッカー日本代表の試合をPCで観ました。観たくなる
メンバーだったので。結果、楽しかった。本当に久しぶりに面白い
ゲームでした。パラグアイの本気度までは分かりかねますが…。2
ゴールを決めた乾選手は滋賀県の野洲高校出身。savi no niwaさ
んのある町です。初めてお話しを頂いたとき、「高校サッカーと来
来亭のトコですね!」とテンションが上がったのを思い出します。何かの拍子にイメージがドドドドド!っと繋がる瞬間ってあります
よね。長くつくり続けているコーヒーメジャースプーンも、変な方
向にイメージが膨らんでしまったケース。僕の場合よくあることな
のですが。使いやすさやデザインを考える中で、同時進行的に幾何
学模様みたいに並ぶ様子や積み重ねて螺旋階段みたいに見える様を
想像していました。規律正しいカタチの連続性。無意識の内に、僕
が魅了されてしまう要素の一つです。自分自身、深く探ってみたこ
とはないのですが、どこかにきっとイメージの元となる出会いや経
験があるのでしょうね。無意識の中の心象風景のような。誰だって
そうだとは思うのですが、僕たちのような仕事をしていると特に自
分自身の深いところにあるイメージってとても大切なもので、結局
それが個性に繋がっていく要素なのだと思うのです。これがあるの
とないのとでは、加えて心地良いものなのか違和感を含んだものな
のかの違いで、後々大きな差がついてしまうような気がするのです。

僕だけでなく、多くの木工作家さんがつくっておられるコーヒーメ
ジャースプーン。世の中のほとんどの人々に行き渡ったのではない
か?と錯覚してしまい勝ちですが、今尚コンスタントに売れ続けて
いる定番商品。つくる度に、積み木を手にした子どものように暫し
並べたり重ねたりして遊んでしまうのはご愛嬌。密かな楽しみです。











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材の話し 2
前回の続きです…。一番期待していたお店の営業さんに先ず電話
を掛けてみる。「実はクルミがあんまり売れないもんで今はもう
置いてないんです。愛知の倉庫に置いてありまして…」マジっす
か!再び。送料の問題と何より実際に見て選べないのは辛い。岡
山県内の材木屋さんに片っ端から電話してみるも、オニグルミを
置いているお店が見つからない。そもそも「材木屋」さんの大半
は建築用の針葉樹を主に扱うお店。広葉樹を扱っていたとしても
割りと需要の高めなブラックウォルナットなんかの輸入材を少し、
といったところ。知り合いにも連絡して広葉樹を扱っているお店
を紹介してもらい、エリアを兵庫まで広げ電話をかけるも思うよ
うな材は見当たらない。さあ困った!ここら辺に来てようやく焦
りだした僕。飛騨の材木屋さんに連絡すれば間違いなくあるのは
分かっているのですが、できることなら近隣のお店で調達したい。腕を組み思案していると、そこに「ちょっと倉庫を確認してみま
す。」とのお返事を頂いた材木屋さんから折り返しの電話が。「
50〜60ミリの板が6枚ほどあります。」オオーッ!渡りに船、地
獄に仏、大海で浮木に会うとはまさにこのこと!早速アポを取り
材を見せてもらいに伺う。元々は製材所だったそうですが、現在
は工務店もされていて一枚板のテーブルも自社工房でつくってお
られるお店。デザイナーもののイスもならんだショールームも併
設されていてお店の方々もとても良い感じ。所謂「材木屋のオヤ
ジ」みたいな風情の方はおられません。妙に新鮮な感覚(笑)!
倉敷木材の皆さん、本当に助かりました。ありがとうございます。
一枚板のテーブル用に製材したのかな?という立派な厚みの材で
切り刻んでしまうのが勿体ない気がしないでもないのですが、背
に腹はかえられません。今月末からの展示に向けたくさんつくら
ねばならないのですから。後は入院中のルーターヘッドの帰りを
待って…。そう、こちらは未だ復活できず。機械屋さんでは手に
負えず、メーカーに送ってもらっている状況。一ヶ月が過たし…。













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材の話し
今のセミアコの主材(主に使っている材料)はオニグルミとブラ
ックウォルナット、ナラ、ホワイトオーク、チェリー…といった
ところ。その中でも押しも押されぬエース級の存在なのがオニグ
ルミ。皆さんもよくご存知のクルミの実のなる木。「食べられる
実のなる木」でお皿をつくる、というのは僕的にはストンと腑に
落ちるというか、何かしらの説得力みたいなものを感じてしまう。
コンスタントに使い続けているということは、コンスタントに買
い続けているということで、移住してきて以来、岡山市内の広葉
樹を扱う材木屋さんにちょこちょこと通い続けています。昨年末
に知り合いの紹介で廃業する木工屋さんからウォルナットの材を
まとめて分けてもらった関係で、少しご無沙汰ぶりにお店に連絡
してみると、開口一番「クルミがないんですよ」と仰る。取り敢
えず行って話しを聞いてみると「新築の内装と造作一式にクルミ
を使いたい」という理由でとある工務店さんが在庫分まとめて買
っていかれたのだそう。マジっすか?残っているのは薄板数枚…。まだ乾燥が終わっていないクルミは積んであるものの、使えるよ
うになるのは今年の初夏頃。アカンがな。間に合わへんがな。思
わず関西弁がこぼれます。取り敢えず必要なチェリーとナラを少
しだけ買ってお店を後にする。それが先月末、ルーターが壊れる
前日の話し。そう考えると立て続けに困ったことが起こったこと
になる。とはいえ、材についてはそこまで深刻には考えていなか
ったのですが。他にも目星がつかない訳でもない。ちょっと調べ
て明日から電話してみようと、ホント軽〜く考えていたのでした。

続く…。











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散り際の美学、的な…
以前にも取り上げたように記憶しているのですが、子ども達から
の「お下がり鉛筆」の話し。その小さな手にすらおえなくなった
鉛筆は、作業場へと運ばれてきます。そこで父ちゃんがゴソゴソ
と細工して限界まで使い切る。貧乏ったらしい話しかも知れませ
んが、そもそも裕福な暮らし振りではないので当然と言えば当然
のこと。限界までボロボロになったジーパンの儚さに似た、ある
種の美しさすら感じてしまいます。あくまで僕の感覚なのですが。
ものを大切にする感覚はとても大切な感性。「ものづくり」を生
業にしている自分が言うのも何なのですが、世の中にはものが溢
れ過ぎている。と言うか有り余っている。スクラップ&ビルドの
発想は、すでに破綻しているようにも感じる。せめて自分自身の
存在価値の在り方として、最後の最後まで使い切ってもらえるよ
うな道具類をつくれればと、切に願う。なるべくなら流行りに巻
き込まれず、消費の対象にもならないように。10年先も変わらず
使えるかどうか。自分の「もの選び」の基準を、自分の「仕事」
にも当てはめていきたい。最後の最後まで使い切ってもらえるよ
うな道具は、おしなべて美しい。そんな気がしてならないのです。












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厳冬
本当に、寒い日が続いていますね。福井の大雪も気になりますが
草津白根山の噴火も台湾の地震も、自然相手とはいえ、人間や学
問の無力さを感じずにはいられません。災害に見舞われた方々が、
一日でも早く日常生活を取り戻されることを、願って止みません。
今はすっかり解けてしまったのですが、数日前の我家の風景。そ
れなりに楽しくはあるのですが、色々と大変です。連日トイレの
水は凍り、裏庭の隅にある散水栓が破裂して、噴水状態になって
いたのに数日間気付かず、発見した時は「氷柱のアート作品?」
みたいなのが立派に出来上がっていました。普段の水道料金から
3万円!上乗せの検針に、水道局から確認のため職員さんが回っ
て来られました。聞けば同じようなお宅が多数あるそう。取り敢
えずの応急処置に駆けつけてくれた設備屋さんも忙しそうです。
そして一昨日は僕たちの住む集落で火事発生。消防団の消防車で
出動です。野焼きからの延焼で、人家からは距離があったとはい
え、風も強く枯れ草の時期の野焼きはとても危険。大事には至ら
なかったのが不幸中の幸いですが、おおよそ半日仕事ができなか
ったり…。日常生活に支障をきたすほどの寒さやアクシデントが
続き、思うように仕事が進まない日々ですが、「受け入れる」以
外の選択肢がないのが自然相手の生活であり、里山暮らしでもあ
る。勿論対策も重要ですが、なるべくなら広い心で笑って済ませ
られるくらいで在りたいものです。波乱含みな2018年序盤で
すが、穏やかな一年になりますように。…もう2月なのですが…。












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データ
もともとマメな方ではなかったのですが、ここ最近めっきり写真
を撮らなくなってしまった。すっかりスマホで…という話しでも
なく(そもそもガラケー使い)「写真を撮る」という行為自体が
少々野暮な気がしてどうにも前向きになれない。初めて自分のカ
メラを手に入れたのは小学校の高学年くらい。父にもらったコダ
ックのポケットカメラはベージュのボディーでなんとmade in U
SA!110(ワンテン)というマイナーなフィルムを使う代物。勿
論単焦点でマニュアル操作は何一つできず、当時没頭していたラ
ジコンの写真を撮ろうにもブレにブレまくって24枚中1〜2枚
ピントが合ってれば嬉しくてしょうがなかった。次にフィルムを
買えるのは、現像に出せるはいつになるのやら憂鬱になりながら。時々自分の時代遅れ感が残念だとも思う。カメラ、というか、写
真そのものの概念がすっかり変わってしまった現代。それは例え
ば音楽だとか、書籍にもいえることなのだけれど、手触りという
か質量みたいなものを感じられないそれらは僕にとってはやっぱ
りデータでしかなく、それはやはりデータ以上の何ものでもない
と感じてしまうのです。ダウンロードするよりはCDを買いたいし、
電子書籍よりは紙の本を手に取りたい。ものが増える一方かも知
れないけれど、自分の選んだものに囲まれた生活はとても豊だと
も思う。効率化やリスク低減という面ではデータには敵わないこ
とは重々承知しているし、恐らくは今後の主流はデータに取って
代わられてしまうのだろうことも理解している。でも僕はやっぱ
り紙の本が存在する限り、CDが発売される限り、欲しいと思った
ものは質量を感じられる方を選ぶと思う。写真もそう。データは
プリントアウトして初めて、写真になるのだ。目に見えるだけじ
ゃなく、聴こえるだけじゃなく、質量のあるものには多少不便で
も、きっとそれ以上の情報が隠れている。オッサン的にはそんな
気がしてならないのです。モヤモヤが晴れて、何にも考えずに写
真を撮れるようになれる日がくることを願って、今日も仕事です。












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7年目
寒いですね。今朝は飛騨を思い起こすような冷え込みでした。全
国的にも強い寒波が列島に押し寄せているとのこと。皆様お住ま
いの地に影響が出ないことを願っております。今シーズン初!ト
イレが凍って水が流れませんでした(笑)。あるある、ですよね。先日、岡山に移住してきて丸6年を迎えました。あれよあれよと
いう間に、7年目突入です。今年カンタは6年生に、ハルコは2
年生になります。学年という区切りで成長を実感できる子ども達
とは違い、僕や嫁さんは何というかズルズル過ごしてきたような
気がしないでもない。勿論、それぞれしっかりコツコツと積み重
ねてきた仕事や暮らしがあるのですが。とは言え、ルーティーン
に縛られ過ぎないのが自営の良いところ。一年毎の変化を自分た
ちなりに楽しみながら、面白可笑しく暮らすのが理想なのです。

とんでもなく寒い朝に、そんなこと考えながらトイレでストーブ
を焚いています(笑)。素敵な一年になりますようね。













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