Mar 2017
ヤバ!もう3月やん…。思わず関西弁で書き出してしまうくらい、
早くも3月突入です。2月よ何所へ行った?もう帰ってこないの
かい?…ただただ焦ります。今年最初の展示を控え、ひっちゃか
めっちゃかな日々を過ごしております。カウントダウン突入です。
写真は半月ほど前でしょうか。今年最初の材料が届いた図。まと
め買いがお得、なはずなのですが、普段から割れが入っていたり
丸太の中から売れ残ったりした板を率先して買ったりしているの
でそれほどのお得感はありません。適材適所じゃないですが、割
れのないキレイな材はなるべくならテーブルや何かの家具材とし
て使ってあげた方が材も喜ぶ気がします。例えばお皿のように、
最初から刻む(細かく切る)のがわかっているのなら、用途に適
した材、例えば真ん中くらいまでパカッと割れが入っている材で
も用途には見合う訳で。材木屋さんで長いこと店番している材を
見ると、何とかならんかな…とぼんやり考えてしまいます。金銭
的な余裕があれば「じゃあこれも」なんてサラリと言えてしまう
のかも知れませんが、現実はとてもとてもシビアです。タイミン
グを見計らいながら、「また来るわ」と材に一言残して家路につ
きます。「あー、あの人に使ってもらいたいな」、「あー、この
人のところに来れて良かったな」…。材からそんな風に思っても
らえるつくり手になれたなら、どんなに幸福なのでしょう。科学
は苦手ですが、この仕事を続けてゆくためにも、研究は必要です。

さてさてこの材の山、いったいどれくらい持つのやら…。










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作家という職業
サラリーマンを経て、僕はたまたま木工作家と呼ばれる仕事、職
業に就いた。職人という言葉には「図面通りのものを正確につく
る」という印象が強く、デザインから起こす我々のような業態だ
とやはり「作家」という方がしっくりくるように思う。慣れるま
ではその呼び方にも抵抗ありましたが…。自由度が高い分、リス
クも大きい。何の保障もない、自己責任の塊のような仕事。憧れ
だけでは絶対にやってゆけない、とてもシビアな世界とも言える。

…なんて書くと、さぞや特別な仕事のように感じるかも知れませ
ん。でも個人的な意見を言わせてもらえば、至って普通な仕事で
す。何を持って普通というかは分かりませんが、「作家」も数多
ある職業の中の一つに過ぎず、何か特別な存在であるという感覚
は全く無い。それぞれの業種業態にそれぞれのヒエラルキーが存
在し、その中でどの位置を目指すか、或はどの位置が自分にとっ
て居心地の良い場所なのか。僕の場合「大所帯」というのが性に
合わなかったように思います。その反動から、最小単位の個人事
業主にたどり着いてしまった訳ですが。「作家」という職業が特
別だとは少しも思わないけれど、自分の居場所を見つけることが
できたのは特別なことだったのかも知れない。でもそれもコツコ
ツやってきた結果、真面目に積み重ねてきた結果。やっぱり特別
なことは何もやってない。続けられたことがすべてなのだと思う。
「作家さんらしい」作家さんに言わせたら、何を甘いことを!と
叱られてしまうかも知れない。実際に「普通じゃないオーラ」を
全身にまとった作家さんがいらっしゃるのも事実。良い悪いの話
しじゃなく、それがご本人や作品から溢れ出たものなのか、取っ
て付けたものなのかが問題。どうしたって不自然さは時間が経て
ばボロが出る。が、自然体なのにオーラが出まくっている作家さ
んにはもう敵わない。前から歩いてこられたら道を譲るしかない。
でもそんな人、会社の中とか取引先とかにもたまにいるでしょ?

願わくば、自分を見失うことなく続けてゆきたい。普通であるこ
とを受け入れて、普通に頑張るしかない。だってこれが僕の仕事
なのだから。家族を支えているのだから。何のことはない、木工
作家も普通の職業の中の一つで、僕も至って普通の人間なのです。













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テイク イット イージー
最近すっかりブーツを履く機会が少なくなりました。そもそも外
出自体、週に一回スーパーへ買い出しに出掛けるかどうか、或は
思い立ってホームセンターへ必要な部品を買いに走るか、はたま
た急に夜中にコンビニまで缶ビールとポテチを買いに走るか、と
いうレベルの話しなので、わざわざブーツなんぞ履く必要がない
のも当然。結局仕事用にしている脱ぎ履きの楽なビルケンばかり
に足を入れてしまうのもある意味必然。仕事だ!と気合いを入れ
て「よそ行き」の格好をする時にブーツを履くという、サラリー
マン時代とは真逆の価値観に納まっている自分が少し滑稽でもあ
ります。ハイテクスニーカー全盛の頃に学生時代を過ごしました
が「靴は重くなきゃ」という理由でブーツばかり履いていました。
サラリーマン時代、休日に履く重たいブーツの感触にどれだけの
開放感を味わったことか。分かりにくいんだろうなぁ…この感覚。生活様式が変化してゆけば、必然性も自ずと変化してゆくものだ
と認識しています。自分の中の話し。でも楽な方へばかり流れて
行きたくはない。靴にせよ帽子にせよ洋服にせよ、僕にとっては
スイッチの一つなのだと思う。ONとOFFを切り替えるための、外
の世界と向き合うための。カラダの「楽」を優先するか、ココロ
の「楽」を優先するか。未だに僕は重い靴を履いた時の方が落ち
着きます。カラダはさて置き、ココロが「楽」です。重たいブー
ツ履いてどっか出掛けたいな。先ずは何とかして時間をつくって
出掛ける理由をつくらねば。それが無理なら靴磨きでもするかな?













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5月の倉敷
今年は出展しないのですが、去年、一昨年と2年連続で出展させ
て頂いた「フィールドオブクラフト倉敷」。木工で食べてゆくと
明確に意識し始めたとき、「必ず出展する」と固く心に誓ったク
ラフトフェアの一つです。縁あって岡山という土地に腰を据えた
以上、外せないイベント。遠くから、外から眺めていた期間が長
かった分、畏敬の念や、思い入れみたいなものが強めのイベント
とも言えます。クラフト関係のイベントは今尚増えていっている
ように感じます。ただ、同時に無くなってゆくイベントがあるの
も事実。ここから先、勿論我々つくり手も含め、淘汰の時代に入
ってゆくのだろうな、と妙に冷静な気持ちで日々過ごしています。

そんなイベントの「質」を推し量る要素の一つに、「どんな作家
さんが出展しているか」があると思う。僕自身、色々な場所で出
会った素敵な作家さん達が、いったいどの様なイベントに出展し
ておられるのだろう、という疑問から「工房からの風」や「フィ
ールドオブクラフト倉敷」を認識し、魅了され、いつの間にか「
目標」に据えるようになりました。憧れていた存在と同じ土俵に
あがる。ステージっていった方が格好良いかな…。そうやって積
み重ねてきた現実が少しずつの自信に繋がった結果、今がある。
5月の倉敷では2年連続で意外な再会がありました。いずれも飛
騨で勤めていた木工会社の元同僚。僕と同じように会社を離れた
人もいれば、現役で働き続けている人も。相対的にも絶対的にも
「良い社員」ではなかった僕と「僕のその後」に興味を持ってく
れている人がいることは、ただただ驚きでしかありませんでした。
去年来てくれた後輩は、わざわざ飛騨から脚を伸ばして来てくれ
た挙げ句、「どんな設備でやっているのか画像をあげてください」
と、ブログのコメント欄からでも済みそうなお願いをして帰って
いった(笑)。随分と遅くなってしまったけれど、約束を果たそ
うと思います。画像は作業場の端を背にして、一番手前にあるの
は軸傾斜盤。その背後にボール盤があります。分かりにくいのは
右の奥、クランプの下にあるのは横軸のボール盤(ほとんど使っ
てない物置状態!)。それと外のスペースにベルトサンダー(ユ
ニバーサル系)。以上です。あとは大体見ればわかるよね。狭い
ながらも楽しい我が作業場、自分と向き合うには最適な場所です。

不思議な引力がある5月の倉敷。先にも書いた通り、今年僕は出
展しませんが、仲間や友人が多数出展するので今からとても楽し
みです。ホームページも近々リニューアルされるようですので、
是非ご覧になってみてください。今年の母の日は、是非倉敷へ。














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スタートダッシュ
ここに来て寒さが本格化したというか、ようやく冬らしくなった
な、と思ったら大寒波がやって来ているとのこと。普段から慣れ
ている雪国よりも、雪や雪道に慣れていない地域の方々が気掛か
りです。くれぐれも雪道にはお気をつけください。あと水道の凍
結なんかもね。何となく慣れてしまっているけれど、朝起きてト
イレの水が出てこないと凹みます。トイレの中でストーブを焚く
シュールな絵面。寒い地域の家賃が安い住宅、或はまあまあ寒い
地域の古家あるあるです。ウチでも年に2〜3度、そうなります。
どうでもよいことはさて置き、あらゆる面で影響が出ないことを
願っております。でも雪山レジャー関連の地域にはしっかりと降
ってあげて欲しい。人間なんてかくも自分勝手な生き物なのです。

さて2017年も2週間が過ぎようとしています。大晦日まで普
通に仕事して、年明けは少し長めに休んで(休まったのか?)か
らググッと日常生活へ。ペースは取り戻せています。今年のテー
マは「余裕を持つ」こと。でもそのためにはある程度の余力を残
しておく必要がある訳で、その余力とは即ち「在庫」。理想は一
ヶ月先の納品分を今つくる(そしてもうすぐ仕上がる)、という
サイクル。納品のタイミングを待つ製品が、ある程度ストックさ
れている状態をキープできれば、急な仕事や(あっては困るけれ
ど)不測の事態なんかにも対処できるはず。独立して丸5年。ジ
ャストインタイム生産方式は、僕のようなスタイルには適さない。
仕掛かり品で持つか、在庫として持つか。大企業には大企業の、
中小企業には中小企業の、町工場には町工場の、そして個人工房
には個人工房のやり方仕方があって良い。イチイチ正解を定義し、
マニュアル化、システム化したがる風潮はサラリーマン時代から
苦手です。それを追求し過ぎれば、いずれ世の中はAIに飲み込ま
れてしまうに違いない。「ものづくり」が飲み込まれるだけなら
いざ知らず、「考えること」までもが飲み込まれてしまったらと
想像すると、心の底からゾッとしてしまいます。考えながら手を
動かす。たまには体全体を動かしながら、続けてゆこうと思う。

今回も順調に話しが反れましたが(苦笑)、色々なことを考えな
がら、試したり失敗したりしながら、自身の感性に従って今年も
動き続けてゆこうと思います。覚悟と責任を持って、真摯に。

スタートダッシュ、始めています。












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2017 酉
正月気分もすっかりと抜けきってしまった今日この頃ですが…。
改めまして、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよ
ろしくお願い致します。過去にも何度か水泳に準えた記憶がある
のですが、2016年も息継ぎ少なめで長水路(50mプール)を一
気に泳ぎきった、という印象。今年はそれを踏まえ、タイムは落
とさずに息継ぎを増やすというか、もう少し肩の力を抜いてスト
ロークを大きくとって泳いで行きたい、などと考えております。
実際にその通りになれば、自ずとタイムも良くなるはず。堅い筋
肉の鎧を纏うタイプではありませんし、それよりかはしなやかな
体躯に憧れます。実際の僕は立派な中年体型ですが。話しを戻し
て、これはあくまで僕の仕事、木工に準えたイメージのお話しね。
今年も作業場には立派なお飾りが。勿論母屋にも。いずれもカン
パル兄妹によるもの。この古家に越して来て丸5年が経ちました。
可能な限り、お飾りを拵える役目はカンタとハルコに続けてもら
うつもりです。いつか身に付いた技術が、手に残る感触が、君た
ちの人生をほんの少し豊かなものに彩ってくれることを願って。

新年早々、纏まりのない乱文で恐縮です。僕の唯一の情報発信源
である本ブログは、こんな感じで今年も続きます。同じようなこ
とを繰り返し、ただダラダラと吐露するだけの場所ではあります
が、お時間ございましたらどうぞ引き続きお付き合いください。

改めまして、本年もよろしくお願い致します。


           2017年1月吉日 Semi-Aco 加賀雅之









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終盤戦
誰が何といおうと終盤戦です。今日で子どもたちの小学校と幼稚
園もお終い。昨日は正月飾りをつくりにご近所さん家に行ってき
てくれた二人。カンタはもう慣れたもん、なのだそう。それだけ
で「ここに住めて良かった」と思えたりもします。ハルコが作業
場用のお飾りも拵えてくれたそうなので、年が明けたらその出来
映えもご紹介できればと思っています。今年もあと10日、です。
デザインラボラトリー蒼さんでの展示も終盤戦に突入しておりま
す。最終日の26日は在廊予定です。ただし、通常より2時間早
く、16時閉店となりますのでご注意願います。年の瀬のお忙し
い時期かとは思いますが、お時間ございましたらどうぞお運びく
ださい。穏やかな瀬戸内の海を眺めながら、ボーっとしてお待ち
致しております。気にせず話しかけてみてくださいね(笑)。











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飯の種
今年最後の材料かと思ったら、ここからもう一回材が届くことに。
ブラックウォルナットがもうじき届きます。今年はたくさんの材
を購入しました。我々のような仕事だと、材料費というのはホン
トばかになりません。ただ僕は錬金術師ではないので、何もない
ところから製品やお金を生み出すことはできない。材料屋さんか
ら材を買って、僅かながらでもこの国の経済に関わっているとい
う感覚は、自分自身の社会性みたいなものをキープする上で不可
欠な行為、プロセスなのだとも感じたりします。社会人、職業人
としての感覚は失くしてはならない。一人の人間として、親とし
て生きる上で、見失ってはいけないテーマなのだと考えています。
今年も残すところ半月となりました。年内の納品は後3件。年末
ギリギリの納品は迷惑を掛けるだけなので、実際の稼働日として
は後5日くらいでしょうか。この辺の感覚はサラリーマン仕込み
です(笑)。デザインラボラトリー蒼さんでの展示も26日まで
続きます。歩みを止めることなく、今年も最後までゆっくりとで
はありますが前に進んで行こうと思います。さあ、あと少しです。











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感謝と敬意
ご多分に漏れず、話題のドラマにハマっております。コメディー
タッチではありますが、テーマというかメッセージ性が心地良く、
勿論主演の二人の演技も相俟って火曜の夜が楽しみになりつつあ
ります。テレビがなくなって久しい我家ですが、民放ポータルな
んかを利用してパソコンで何時でも見られる今の時代に感謝です。作業場でボンヤリと「感謝と敬意」について思い巡らせてみまし
た。そしてふと目がとまったのがこの鉛筆でした。墨付けにはH
が良い。チビた2本の鉛筆をボンドとホチキスで繋ぎしつこく使
ってます。でもこれもまた、欠かすことの出来ない大切な道具の
一つ。嗚呼ちっぽけな自分(笑)。でもこの「くだらないの中に
」愛が。ドラマの主題歌も良いですが、どうかこのデビューシン
グルも聴いて頂きたい。踊れないけれど…。紛れもない天才。ど
うか生き急ぐことのないよう、溢れんばかりの才能に魂までをも
食い尽されてしまわぬよう、一人のファンとして願うばかりです。

今夜も楽しみです。こんな感覚ずいぶんと久しぶりな気がします。











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続 はじまりの場所
紆余曲折を経て、本当に大変な思いをして(割愛
します)江名子という場所にある豚小屋だった建
物を改装し、作業場に仕立てます。ギリギリ使え
そうな中古機械を揃え、それぞれ簡単な作業台を
拵え、一応「仕事」が出来る環境が整ったのが2
007年の春夏頃だったかな…?その間にカンタ
が生まれます。まさに、激動です。その後は生来
の貧乏性が功を奏して、作業場に入り浸るように
なります。良くも悪くも作業場の存在は「ここに
居る理由」を明確にしてくれました。のんべんだ
らりんと自然の中、スローライフを楽しみに来た
のではない、今の暮らしは仮の姿であって、例え
安定した平穏な暮らしであったとしても、絶対に
満足などしてはいけない暮らしなのだと、作業場
の存在がまるで僕を戒めてくれているかのようで
した。ここでの時間が、未来の礎をつくるのだと。
結果として「やり切れた」のだと思う。この作業
場で、この環境(木工会社に勤めながら)で出来
得ることはやり尽した。そう思えた時、飛騨を出
るイメージが明確になりました。時を同じくして、
嫁さんもそんなイメージを抱いていたようです。
飛騨を出ようと。こちらはたぶん「野生の勘」で。

「やり切った感」というのは不思議なもので、淋
しさやセンチメンタリズムはそれほど感じ取れず
にいました。色々な意味で元を取ったという満足
感と、次のステージに上がれる高揚感。大切な場
所であることに間違いはないのですが、感謝の割
合が一番大きかったのも事実。でもこないだの電
話で江名子の作業場がなくなる、という話しを聞
いて、心に穴が空いたように感じたのもこれまた
事実。誰かがあそこで機械をまわし、薪ストーブ
に火を焼べ、ゴソゴソやっている。それがなくな
るのは、やっぱり普通に淋しい。だってあそこは
僕にとっても「始まりの場所」の一つなのだから。

5歳まで飛騨で過ごしたカンタも飛騨での記憶が
ずいぶんと薄れつつあります。カンタとハルコの
生まれた場所へ、来年の雪が解けた頃には足を運
ぼうと思っています。取り壊されるなんてことは
ないと思う(願望込み)ので、江名子の作業場も
尋ねてみようかと。お礼と近況報告を兼ねて。











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