繰り返すこと
猛烈につくっています。今月は制作の月。作業場に篭もり、ひた
すら手と感覚を動かし続けています。月が変われば東京での展示
が2つ。今年のハイライトかも知れません。雨の少ない6月に救
われ、仕事は湿度の影響をさほど受けずに進められています。悔
いのないよう目一杯つくろうと思います。手首痛と相談しつつ…。
単体として気に入った作品であったとしても、それを並べた時に
生まれるリズムや幾何学模様のような配列を、どうしても想像し
てしまいます。もはや、たくさん並べることを前提として考えて
いる節もあるような。僕の中にある「これでいいのだ」なのです。

何度も書いてきたことだけれど、同じものを、これだと心に決め
たものを、何個も何個も何度でもつくれる技術と芯を持ったつく
り手でありたい。繰り返すことはさほど苦にはなりません。繰り
返すことで研ぎすまされることもあるし、自身のブレに気付かさ
れることもある。「手しごと」に逃げない。「これでいいのだ」。











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ツバメ
5月の始め頃だったでしょうか。作業場にある築3年のツバメの
巣に番い(つがい)が帰ってきました。糞害なんかはそれなりに
あるので都心部では迷惑がられているなんて話しも耳にしますが、
縁起物とも聞くし、何より甲斐甲斐しくヒナに餌を運ぶ姿や日に
日に大きくなるヒナにほっこりさせてもらえるのも事実。良かっ
た良かったと思っていた矢先、5月の中旬頃だったでしょうか。
パタリと親鳥が帰って来なくなってしまいました。糞対策の段ボ
ールには卵の殻が一つ。結局ピヨピヨという鳴き声を聞くことも
なく、巣は放棄されてしまいました。ヘビやカラスに襲われてし
まったのでしょうか。都会とは別の厳しさが、この辺りにはまだ
まだ残っているみたいです。本当に残念で悲しいけれど、これが
自然で皆必死に生きている。自然はちっとも優しくなんかはない。
それなりに落ち込みつつ日々を過ごしていたら、新たな番いが作
業場にやって来て、ああでもないこうでもないと家族会議を始め
ている。「へ?また新築?」なんて思っていると案の定作業場の
梁に新たな巣をつくり始めた。さすがに見慣れた光景とは言え、
土(泥)と枯れ草だけで器用に巣づくりする様は、毎度見惚れて
しまいます。乾きが甘いウチにどんどん土を盛ってしまうと自ら
の重みでベチャ!と巣ごと落ちてしまう。そんな失敗にもめげる
ことなく淡々と作業を続ける様に「負けてはいられない」と、こ
ちらも淡々と作業を進める。そう、何というか気分は同居人。一
人じゃない嬉しさをどこかで感じている自分がいる。前回のこと
があるのでヒナが孵るまでは色々と気になって仕方がなかったけ
れど、現在無事孵化した3羽がピーピー鳴きながら餌を飲み込ん
でいます。咀嚼してません。丸呑みです。のど越しを楽しんでい
るのだと思われます。多分…。夜中の作業場の灯りに集まる虫を
親鳥が飛びながらくちばしでキャーッチ!暴れる蛾をヒナののど
の奥にググッと押し込む。文字に起こすと何ともいえないシュー
ルな光景ですが、一連の流れには目を奪われてしまう何かがあり
ます。もう暫くこの賑やかな共同生活は続きます。無事に巣立っ
てくれることを祈りつつ…。来年も帰ってきてくれると嬉しいな。












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6月
気が付けば6月に突入!一年の半分に差し掛かりました。早い…。
島根の青杏+さんでの企画展は11日まで続きますが、7月まで
は次のイベントの予定はなく、しっかりと、とことんつくり込む
期間となります。願わくばあんまり雨が降らなければ良いな。材
料が湿気で動いてなかなか落ち着いてくれないので。でもお百姓
さんにとっては当然そうはいかない訳で…。悩ましいところです。つくったそばから旅立って行く製品たち。制作の隙をついて宣材
写真を撮っておかなければ、いざという時に困ります。画像が無
いとブログも書く気にならないし…。天気(光の加減)や仕事の
タイミング、そして何より「興が乗る」瞬間に、ゴソゴソと撮影
の準備をしてオリンパスのPENを取り出します。思うように撮れ
る日もあれば、何枚撮ってもダメな日も。「やった!」と思った
画像が、次の日見てみたら「アカンアカン」なんてことも。逆の
パターンもゼロではないのですが、ほとんどないかな。正直、カ
メラは苦手です。自分の中のイメージの曖昧さに辟易することも。
むしろ邪念が少ない分、カンタが撮る写真の方が断然良かったり
もするので写真は奥が深い。フィルムカメラから入った僕は、沢
山撮りまくることに対して未だに抵抗みたいなものを感じてしま
う始末。カンタやハルコの一切の躊躇のないシャッターへの姿勢
は、いくらでも撮れるしいくらでも消せる、というバックボーン
に寄るところなのだなあと、妙に感心してしまいます。一発勝負
の面白さと緊張感も感じてみて欲しいと、チェキを持たせてみた
のですが、(特にハルコには)まだ早かったみたい(笑)。僕が
見ていてドキドキしてしまいます。「撮り過ぎ!デジカメちゃう
で!」と(笑)。もう少ししたらフィルムをセットする感覚や巻
き上げる感覚、本物のシャッター音。この辺りも教えてあげられ
れば良いなあと考えています。便利さや手軽さだけじゃないもの
も、選択肢にはあった方がいい。平皿を彫りながら、ぼんやりと
考える6月の朝です。













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自己と自我
バランスって、本当に大事だと思う。

「自己」というものがなければ始まらないし

「自我」がなければ前に進んでゆけない。

でも理想は、「自己」のほうが遥かに「自我」を上回っている人。

そういう人はいつも飄々としていて、それでいて強い。


そんな女性3人のお話しを伺う機会に恵まれました。

憧れる。

まわりの目よりも、自分の中にあるものを強く信じれる人。

そんな人間に、いつかはなりたい。













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木婚式
ご存知でしたか?木婚式という言葉。木の仕事を
しているにも拘らず、恥ずかしながら僕は聞いた
ことすらありませんでした。銀婚式や金婚式と同
じように、結婚5周年を祝う言葉なのだそう。調
べてみれば、わりと細やかに色々な◯婚式という
設定がなされているようです。ウチはまったく気
付かないまま(知らないまま)とうに過ぎてしま
っていて、この5月には象牙婚式(14周年)な
のだそうです。…知らないことにし続けときます。
18日の火曜日、ゆくりさんでのワークショップ
を開催させて頂きました。ご参加頂いた中に、木
婚式の記念に参加してくださったご夫婦がおられ、
そのご夫婦に木婚式という言葉を教えて頂きまし
た。素敵だなあ。ただ木のものを買うのではなく、
ワークショップに参加して自分達が使うお皿を彫
る。そこにはきっと、少しの苦労と筋肉痛がつい
て来る。「思い出」や「記憶」になり得る要素が
たくさん詰まっている。参加者の皆さんに気付か
れないよう、そっと一人感動するおっさん(僕)。
長くワークショップをやらせて頂いているけれど
今回のようなケースは初めてのことで、じんわり
とした温もりを、今もまだ胸に感じ続けています。

在廊時にお越しくださったお客様がワークショッ
プにもご参加してくださったり、去年に続き2度
目のご参加の方がいらしたり、とても賑やかで楽
しい時間を過ごすことができました。勿論、皆さ
んそれぞれとても素敵なお皿を仕上げられました。

準備や下ごしらえにそれなりの手間暇が掛かるの
は事実なのですが、終わった後の充実感は少し特
別なものがある気がします。不安な顔、苦労して
おられる顔、コツを掴んだ顔、仕上げの時の晴れ
やかな顔。最後にケーキをのせてお茶をするとき
の笑顔へと続く表情の変化は、ふと僕自身を初心
に返らせてくれるのです。木工は楽しいのだと。

今回もご参加頂いた皆様、本当にありがとうござ
いました。そしてお疲れ様でした。それぞれのお
皿をガンガン使ってたまにメンテナンスして、そ
れぞれの一枚を育ててあげてください。筋肉痛が
そろそろ癒えてくることを願いつつ…(笑)。











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春うらら
ぐずついた天気がようやく落ち着き、寒の戻りも幾分和らいでき
ました。ゆくりさんでの展示も中盤戦。会期が長いと思ってたは
ずが、ほんとあっという間です。その間、隣の谷で火事があった
りハルコが小学生になったり、ツバメが作業場の巣に帰ってきた
りと、色々ありました。そうそう、京都へ墓参りにも行きました。
ゆっくりとお花見に行く余裕は今年もなかったけれど、クルマの
窓越しにいくつかの桜を見る機会がありました。そういえば今年
は庭の梅の花の写真も撮ってなかった。写真に納める余裕はなか
ったけれど、今年も咲いてくれたな、綺麗だな、と思う心、季節
の移ろいを感じる余裕は残っていたので良しとすることにします。
作業場では神戸にオープンするデザートレストラン(!?)に納
める特注プレートを製作中。平行して通常納品分の制作と来週火
曜のワークショップの準備をボチボチ。ワークショップは早い段
階で満席になってしまったようで、本当にありがとうございます。
ご参加頂けなかった方々、申し訳ありません。またの機会に是非。
心地の良い風が通るゆくりさんの縁側で、一心不乱に彫刻刀を振
るう皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

春うらら、とか言いながら写真に春感が全く無くてスミマセン!











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Mar 2017
ヤバ!もう3月やん…。思わず関西弁で書き出してしまうくらい、
早くも3月突入です。2月よ何所へ行った?もう帰ってこないの
かい?…ただただ焦ります。今年最初の展示を控え、ひっちゃか
めっちゃかな日々を過ごしております。カウントダウン突入です。
写真は半月ほど前でしょうか。今年最初の材料が届いた図。まと
め買いがお得、なはずなのですが、普段から割れが入っていたり
丸太の中から売れ残ったりした板を率先して買ったりしているの
でそれほどのお得感はありません。適材適所じゃないですが、割
れのないキレイな材はなるべくならテーブルや何かの家具材とし
て使ってあげた方が材も喜ぶ気がします。例えばお皿のように、
最初から刻む(細かく切る)のがわかっているのなら、用途に適
した材、例えば真ん中くらいまでパカッと割れが入っている材で
も用途には見合う訳で。材木屋さんで長いこと店番している材を
見ると、何とかならんかな…とぼんやり考えてしまいます。金銭
的な余裕があれば「じゃあこれも」なんてサラリと言えてしまう
のかも知れませんが、現実はとてもとてもシビアです。タイミン
グを見計らいながら、「また来るわ」と材に一言残して家路につ
きます。「あー、あの人に使ってもらいたいな」、「あー、この
人のところに来れて良かったな」…。材からそんな風に思っても
らえるつくり手になれたなら、どんなに幸福なのでしょう。科学
は苦手ですが、この仕事を続けてゆくためにも、研究は必要です。

さてさてこの材の山、いったいどれくらい持つのやら…。










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作家という職業
サラリーマンを経て、僕はたまたま木工作家と呼ばれる仕事、職
業に就いた。職人という言葉には「図面通りのものを正確につく
る」という印象が強く、デザインから起こす我々のような業態だ
とやはり「作家」という方がしっくりくるように思う。慣れるま
ではその呼び方にも抵抗ありましたが…。自由度が高い分、リス
クも大きい。何の保障もない、自己責任の塊のような仕事。憧れ
だけでは絶対にやってゆけない、とてもシビアな世界とも言える。

…なんて書くと、さぞや特別な仕事のように感じるかも知れませ
ん。でも個人的な意見を言わせてもらえば、至って普通な仕事で
す。何を持って普通というかは分かりませんが、「作家」も数多
ある職業の中の一つに過ぎず、何か特別な存在であるという感覚
は全く無い。それぞれの業種業態にそれぞれのヒエラルキーが存
在し、その中でどの位置を目指すか、或はどの位置が自分にとっ
て居心地の良い場所なのか。僕の場合「大所帯」というのが性に
合わなかったように思います。その反動から、最小単位の個人事
業主にたどり着いてしまった訳ですが。「作家」という職業が特
別だとは少しも思わないけれど、自分の居場所を見つけることが
できたのは特別なことだったのかも知れない。でもそれもコツコ
ツやってきた結果、真面目に積み重ねてきた結果。やっぱり特別
なことは何もやってない。続けられたことがすべてなのだと思う。
「作家さんらしい」作家さんに言わせたら、何を甘いことを!と
叱られてしまうかも知れない。実際に「普通じゃないオーラ」を
全身にまとった作家さんがいらっしゃるのも事実。良い悪いの話
しじゃなく、それがご本人や作品から溢れ出たものなのか、取っ
て付けたものなのかが問題。どうしたって不自然さは時間が経て
ばボロが出る。が、自然体なのにオーラが出まくっている作家さ
んにはもう敵わない。前から歩いてこられたら道を譲るしかない。
でもそんな人、会社の中とか取引先とかにもたまにいるでしょ?

願わくば、自分を見失うことなく続けてゆきたい。普通であるこ
とを受け入れて、普通に頑張るしかない。だってこれが僕の仕事
なのだから。家族を支えているのだから。何のことはない、木工
作家も普通の職業の中の一つで、僕も至って普通の人間なのです。













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テイク イット イージー
最近すっかりブーツを履く機会が少なくなりました。そもそも外
出自体、週に一回スーパーへ買い出しに出掛けるかどうか、或は
思い立ってホームセンターへ必要な部品を買いに走るか、はたま
た急に夜中にコンビニまで缶ビールとポテチを買いに走るか、と
いうレベルの話しなので、わざわざブーツなんぞ履く必要がない
のも当然。結局仕事用にしている脱ぎ履きの楽なビルケンばかり
に足を入れてしまうのもある意味必然。仕事だ!と気合いを入れ
て「よそ行き」の格好をする時にブーツを履くという、サラリー
マン時代とは真逆の価値観に納まっている自分が少し滑稽でもあ
ります。ハイテクスニーカー全盛の頃に学生時代を過ごしました
が「靴は重くなきゃ」という理由でブーツばかり履いていました。
サラリーマン時代、休日に履く重たいブーツの感触にどれだけの
開放感を味わったことか。分かりにくいんだろうなぁ…この感覚。生活様式が変化してゆけば、必然性も自ずと変化してゆくものだ
と認識しています。自分の中の話し。でも楽な方へばかり流れて
行きたくはない。靴にせよ帽子にせよ洋服にせよ、僕にとっては
スイッチの一つなのだと思う。ONとOFFを切り替えるための、外
の世界と向き合うための。カラダの「楽」を優先するか、ココロ
の「楽」を優先するか。未だに僕は重い靴を履いた時の方が落ち
着きます。カラダはさて置き、ココロが「楽」です。重たいブー
ツ履いてどっか出掛けたいな。先ずは何とかして時間をつくって
出掛ける理由をつくらねば。それが無理なら靴磨きでもするかな?













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5月の倉敷
今年は出展しないのですが、去年、一昨年と2年連続で出展させ
て頂いた「フィールドオブクラフト倉敷」。木工で食べてゆくと
明確に意識し始めたとき、「必ず出展する」と固く心に誓ったク
ラフトフェアの一つです。縁あって岡山という土地に腰を据えた
以上、外せないイベント。遠くから、外から眺めていた期間が長
かった分、畏敬の念や、思い入れみたいなものが強めのイベント
とも言えます。クラフト関係のイベントは今尚増えていっている
ように感じます。ただ、同時に無くなってゆくイベントがあるの
も事実。ここから先、勿論我々つくり手も含め、淘汰の時代に入
ってゆくのだろうな、と妙に冷静な気持ちで日々過ごしています。

そんなイベントの「質」を推し量る要素の一つに、「どんな作家
さんが出展しているか」があると思う。僕自身、色々な場所で出
会った素敵な作家さん達が、いったいどの様なイベントに出展し
ておられるのだろう、という疑問から「工房からの風」や「フィ
ールドオブクラフト倉敷」を認識し、魅了され、いつの間にか「
目標」に据えるようになりました。憧れていた存在と同じ土俵に
あがる。ステージっていった方が格好良いかな…。そうやって積
み重ねてきた現実が少しずつの自信に繋がった結果、今がある。
5月の倉敷では2年連続で意外な再会がありました。いずれも飛
騨で勤めていた木工会社の元同僚。僕と同じように会社を離れた
人もいれば、現役で働き続けている人も。相対的にも絶対的にも
「良い社員」ではなかった僕と「僕のその後」に興味を持ってく
れている人がいることは、ただただ驚きでしかありませんでした。
去年来てくれた後輩は、わざわざ飛騨から脚を伸ばして来てくれ
た挙げ句、「どんな設備でやっているのか画像をあげてください」
と、ブログのコメント欄からでも済みそうなお願いをして帰って
いった(笑)。随分と遅くなってしまったけれど、約束を果たそ
うと思います。画像は作業場の端を背にして、一番手前にあるの
は軸傾斜盤。その背後にボール盤があります。分かりにくいのは
右の奥、クランプの下にあるのは横軸のボール盤(ほとんど使っ
てない物置状態!)。それと外のスペースにベルトサンダー(ユ
ニバーサル系)。以上です。あとは大体見ればわかるよね。狭い
ながらも楽しい我が作業場、自分と向き合うには最適な場所です。

不思議な引力がある5月の倉敷。先にも書いた通り、今年僕は出
展しませんが、仲間や友人が多数出展するので今からとても楽し
みです。ホームページも近々リニューアルされるようですので、
是非ご覧になってみてください。今年の母の日は、是非倉敷へ。














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