つづくことの有り難さ
長い長いと思っていた会期も、過ぎてしまえば本当にあっという
間。充実していた証拠なのだと、今では少し懐かしくもあります。
4月1日から始まったゆくりさんでの個展、23日の日曜をもっ
て終了しました。お運び頂いた皆様、お買い求め頂いた皆様、遠
方で足は運べずとも、HPやSNS等を通じて展示をチェックしてく
ださった皆様、本当にありがとうございました。ある意味「実験
的」に急遽決まった会期の延長、ロングラン個展ではあったので
すが、フタを空けてみれば二度三度お運びくださるお客様がいら
したり、会期が延びたからこそお運び頂けたお客様がおられたり
と、とてもいい塩梅に進んだように感じます。会期が長い分、肩
の力が入り過ぎなかったのも良かったのかも。追加納品はほんの
少ししかできなかったけれど、常設展示との組み合わせで何とか
空間のバランスを取り続けてくださったゆくりさんにも感謝です。在廊できたのは初日とワークショップのたった2日。それ以外は
1日だけふらっと立ち寄らせてもらっただけだったのですが、そ
の都度お客さんから「来年も個展されますか?」とお声を掛けて
頂き、ゆくりさんからも「セミアコさんさえよければ是非」とい
う流れになって…。初日から来年の個展の話しをするなんて鬼が
笑うどころの話しではないのですが、そういった声を掛けて頂く
こと自体何より有り難いこと。早々に定員が埋まってしまい、ワ
ークショップにご参加頂けなかった方々もたくさんおられたよう
ですので、来年も是非めげずにトライしてみてください。僕はこ
の先もずっとこの仕事を続けてゆくつもりですので、いつか必ず
お会いできるものだと、ご参加頂けるものだと信じて疑いません。

会期中、3回にわたってパンの販売やコーヒースタンドの出店な
どを企画してくださったゆくりさんにも、感謝です。少しも間延
びすることなく、3週間を楽しく過ごせたように感じています。

来月は高知での野外展と島根県での企画展へと続きます。7月は
東京での三人展が。少なくともこの辺りまでは気を抜けない日々
が続きますが、今年の冬こそは何とか時間をつくって古家の修復
に手が回せるように、秋頃までは全力疾走を続けて行こうと思っ
ています。有り難い日々。つづけてゆくために、先ずは今日から。










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木婚式
ご存知でしたか?木婚式という言葉。木の仕事を
しているにも拘らず、恥ずかしながら僕は聞いた
ことすらありませんでした。銀婚式や金婚式と同
じように、結婚5周年を祝う言葉なのだそう。調
べてみれば、わりと細やかに色々な◯婚式という
設定がなされているようです。ウチはまったく気
付かないまま(知らないまま)とうに過ぎてしま
っていて、この5月には象牙婚式(14周年)な
のだそうです。…知らないことにし続けときます。
18日の火曜日、ゆくりさんでのワークショップ
を開催させて頂きました。ご参加頂いた中に、木
婚式の記念に参加してくださったご夫婦がおられ、
そのご夫婦に木婚式という言葉を教えて頂きまし
た。素敵だなあ。ただ木のものを買うのではなく、
ワークショップに参加して自分達が使うお皿を彫
る。そこにはきっと、少しの苦労と筋肉痛がつい
て来る。「思い出」や「記憶」になり得る要素が
たくさん詰まっている。参加者の皆さんに気付か
れないよう、そっと一人感動するおっさん(僕)。
長くワークショップをやらせて頂いているけれど
今回のようなケースは初めてのことで、じんわり
とした温もりを、今もまだ胸に感じ続けています。

在廊時にお越しくださったお客様がワークショッ
プにもご参加してくださったり、去年に続き2度
目のご参加の方がいらしたり、とても賑やかで楽
しい時間を過ごすことができました。勿論、皆さ
んそれぞれとても素敵なお皿を仕上げられました。

準備や下ごしらえにそれなりの手間暇が掛かるの
は事実なのですが、終わった後の充実感は少し特
別なものがある気がします。不安な顔、苦労して
おられる顔、コツを掴んだ顔、仕上げの時の晴れ
やかな顔。最後にケーキをのせてお茶をするとき
の笑顔へと続く表情の変化は、ふと僕自身を初心
に返らせてくれるのです。木工は楽しいのだと。

今回もご参加頂いた皆様、本当にありがとうござ
いました。そしてお疲れ様でした。それぞれのお
皿をガンガン使ってたまにメンテナンスして、そ
れぞれの一枚を育ててあげてください。筋肉痛が
そろそろ癒えてくることを願いつつ…(笑)。











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春うらら
ぐずついた天気がようやく落ち着き、寒の戻りも幾分和らいでき
ました。ゆくりさんでの展示も中盤戦。会期が長いと思ってたは
ずが、ほんとあっという間です。その間、隣の谷で火事があった
りハルコが小学生になったり、ツバメが作業場の巣に帰ってきた
りと、色々ありました。そうそう、京都へ墓参りにも行きました。
ゆっくりとお花見に行く余裕は今年もなかったけれど、クルマの
窓越しにいくつかの桜を見る機会がありました。そういえば今年
は庭の梅の花の写真も撮ってなかった。写真に納める余裕はなか
ったけれど、今年も咲いてくれたな、綺麗だな、と思う心、季節
の移ろいを感じる余裕は残っていたので良しとすることにします。
作業場では神戸にオープンするデザートレストラン(!?)に納
める特注プレートを製作中。平行して通常納品分の制作と来週火
曜のワークショップの準備をボチボチ。ワークショップは早い段
階で満席になってしまったようで、本当にありがとうございます。
ご参加頂けなかった方々、申し訳ありません。またの機会に是非。
心地の良い風が通るゆくりさんの縁側で、一心不乱に彫刻刀を振
るう皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

春うらら、とか言いながら写真に春感が全く無くてスミマセン!











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撫川にて
なつかわと読みます。ナデガワではありません。岡山県北区に位
置します。最寄り駅は山陽本線の庭瀬駅。旧二号線を少し南に入
ったところ。城下町だった地区の古民家が、「ゆくり」さんです。
1日の土曜から、加賀雅之 木工展 - rhythm - 始まっています。
初日の土曜に在廊させて頂きました。月曜の展休日を挟んで今日
で4日目。既にお運び頂いた方々には厚く御礼申し上げます。あ
りがとうございました。今展の会期は長めですのでまだお運びで
ない方は勿論、2回目、3回目のお越しもお待ち致しております。

お店の名前「ゆくり」は漢字で書くと「縁」。えん、ゆかり、き
っかけ、といった意味があるそうです。その名の通り、不思議な
ご縁に優しく彩られた素敵な場所です。近道をせず、時間や手間
暇を惜しむことなく続けて来られた方々が、ふわりと集う場所。
2度目の展示で改めて感じました。ここに居られることが嬉しい。
ご主人が手を入れられている中庭も美しく、一見の価値有りです。

桜の季節もいよいよ本番です。是非撫川までお運びくださいませ。











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rhythm
春分が過ぎ、お彼岸も今日で明けます。季節はもうすっかり春で
す。たどたどしかった鶯の鳴き声も、最近では板に付いてきまし
た。各所で卒業式の便りを耳にします。下の娘も今日で幼稚園を
卒園。来月からは小学生です。着々と、確実に、日々は続いてい
るようです。これまでも、これからも。24時間、365日、一
定のリズムで進んでいるくせに、同じ歩みは2つとない。一人一
人、それぞれの人生。それぞれの歩幅、それぞれのペース。目に
見えない大きな流れに、自分自身のリズムを上手く重ねてゆく。
そんなイメージで日々を過ごしています。これから先も、ずっと。
ご案内です。昨年に続きゆくりさんでの2回目の展示となります。

「ー rhythm ー 加賀雅之 木工展」

2016.4.1(土)〜4.23(日)11:00〜17:00
展休日 4/3、10、17(月)
ワークショップ: 4/18
ゆくり 岡山市北区撫川173-1
お問合せ、詳細はこちらまで→

素敵なリーフレット、今年もおつくり頂いています。ご希望の方
は郵送も致しますので、プロフィール欄のアドレスよりお問合せ
ください。どうぞよろしくお願い致します。










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お彼岸
週末は倉敷での用事に絡めて家内の実家に立ち寄り、皆でお墓参
りに。京都の墓参りはどうにも都合がつかず4月に入ってからに
なりそうなのですが、それでもお墓参りの後は心が少し軽くなる
のが不思議です。どうしようもなく忙しい時ほど、「あーお墓参
り行きたいな」なんて思ってしまうもの。草を抜き、お墓をキレ
イにし、お花を飾る。そして年長者から順に手を合わせる。きち
んとした作法や仕来りは知らないけれど、自分の親や祖父母を見
習って自然に身に付いていた所作は、子ども達にも伝われば良い。
そして「何か気持ちいい」と感じてくれたら尚良し。きっと子ど
も達のアタマの中でも、僕と同じように星野源の「ステップ」が
流れているのでしょう(笑)。昨日のラジオも楽しい時間でした。
さてお彼岸のお中日だった昨日、中崎町のcocoaさんでの展示が
最終日を迎えました。お運び頂いた皆様、お買い求め頂いた皆様、
本当にありがとうございました。そしてわざわざ美作の古家まで
足を運んでくださり、DMだけでなく店頭配布用のリーフレットま
でご用意してくださったcocoaさんにも大きな感謝を。初めての
器系の作家ものの展示にSemi-Acoを選んで頂けたこと、嬉しく
思います。今度こそはゆっくりと、時間を掛けて中崎町の街をブ
ラブラと歩いてみたいものです。梅田方面に歩いてみようかな?

今年の彼岸明けは23日なのだそう。お墓参り行かれましたか?














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中崎町
行ってきました大阪。まったく街をぶらつく時間なんて取れなか
ったのですが、地下鉄の駅からお店に着くまでの数分でこれぞ大
阪!という感じのぶっ飛んだオシャレ人間が歩いていたり、植え
込みのところでリードをつけた小型犬と真剣に喧嘩しているおば
ちゃんがいたりと、やはり変わらぬ楽しい街でした。多分時間と
体力に余裕があれば、一日ブラブラしてても飽きない楽しい街だ
と思います、中崎町。小さなお店が、色々な意味で「特化」した
お店がそこかしこに隠れている(大体外から見ても分からない)。
僕の現在の日常とはかなりかけ離れた風景なのですが、たまには
こういうのも悪くない。人間の適応力、多様性、選択の自由度な
んかをボンヤリと考えてしまいます。子ども達はどんな暮らしを
選択するのだろう。そして僕はどこへ向かって行くのだろう…。お取引きが始まって1年と数ヶ月、ようやく初めてcocoaさんを
訪れる。何となくイメージしていた通り、可愛らしい印象のお店。
ヒゲのうすらデカい男がボーっと立っていてはいけない雰囲気に
も思えるのですが、お運び頂いたお客様に使い方やお手入れ方法
なんかをお話ししているうちにあっという間に時間が経って。IR
IIRIさんを始め、cocoaさんとご縁のある作家さんとも色々お話
しできて楽しかった。皆さん内に秘めた熱量がスゴそう…。その
ベクトルは様々なのですが、皆一様に興味深い…ていうか濃い!世の中的には週末は3連休らしく、cocoaさんでの展示も20日
までとなります。奮ってお運びくださいませ。僕はといえば引き
続き、つくる、つくる、つくる日々です。腕と腰が壊れるまで…。











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値上げ
誠に勝手ではございますが、来月4月1日より製品価格を改定させて頂
くこととなりました。消費増税を待って、とタイミングを計って参りま
したがいよいよ痺れを切らし、決断に至った次第です。お取扱店各位に
はすでにお知らせを済ませ、ご了承頂いておりますので、4月1日から
それぞれの店頭で価格が変わる予定です。何とぞご理解、ご了承頂けま
すようお願い致します。引き続きご愛顧賜りますよう、お願い致します。



高田渡さん、良いですよね。「生活の柄」も是非聞いてみてくださいね。

さて本日より大阪市北区中崎の「cocoa」さんにて展示が始まります。
12日の日曜には在廊させて頂きますので、お時間ございましたら是非
お運びください。キタを歩くのなんてホント何年ぶりだろう…。楽しみ
ではあるのですが、ほぼ浦島太郎状態で完全なる「御上りさん」なんで
しょうね(笑)。何故か東京の方が頻繁に(それほどでもない)訪れる
機会が多く、大阪の方がアウェー感を感じるのが少し不思議な感じです。
キョロキョロせず、前を見て歩こうと思っています(笑)。












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Mar 2017
ヤバ!もう3月やん…。思わず関西弁で書き出してしまうくらい、
早くも3月突入です。2月よ何所へ行った?もう帰ってこないの
かい?…ただただ焦ります。今年最初の展示を控え、ひっちゃか
めっちゃかな日々を過ごしております。カウントダウン突入です。
写真は半月ほど前でしょうか。今年最初の材料が届いた図。まと
め買いがお得、なはずなのですが、普段から割れが入っていたり
丸太の中から売れ残ったりした板を率先して買ったりしているの
でそれほどのお得感はありません。適材適所じゃないですが、割
れのないキレイな材はなるべくならテーブルや何かの家具材とし
て使ってあげた方が材も喜ぶ気がします。例えばお皿のように、
最初から刻む(細かく切る)のがわかっているのなら、用途に適
した材、例えば真ん中くらいまでパカッと割れが入っている材で
も用途には見合う訳で。材木屋さんで長いこと店番している材を
見ると、何とかならんかな…とぼんやり考えてしまいます。金銭
的な余裕があれば「じゃあこれも」なんてサラリと言えてしまう
のかも知れませんが、現実はとてもとてもシビアです。タイミン
グを見計らいながら、「また来るわ」と材に一言残して家路につ
きます。「あー、あの人に使ってもらいたいな」、「あー、この
人のところに来れて良かったな」…。材からそんな風に思っても
らえるつくり手になれたなら、どんなに幸福なのでしょう。科学
は苦手ですが、この仕事を続けてゆくためにも、研究は必要です。

さてさてこの材の山、いったいどれくらい持つのやら…。










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作家という職業
サラリーマンを経て、僕はたまたま木工作家と呼ばれる仕事、職
業に就いた。職人という言葉には「図面通りのものを正確につく
る」という印象が強く、デザインから起こす我々のような業態だ
とやはり「作家」という方がしっくりくるように思う。慣れるま
ではその呼び方にも抵抗ありましたが…。自由度が高い分、リス
クも大きい。何の保障もない、自己責任の塊のような仕事。憧れ
だけでは絶対にやってゆけない、とてもシビアな世界とも言える。

…なんて書くと、さぞや特別な仕事のように感じるかも知れませ
ん。でも個人的な意見を言わせてもらえば、至って普通な仕事で
す。何を持って普通というかは分かりませんが、「作家」も数多
ある職業の中の一つに過ぎず、何か特別な存在であるという感覚
は全く無い。それぞれの業種業態にそれぞれのヒエラルキーが存
在し、その中でどの位置を目指すか、或はどの位置が自分にとっ
て居心地の良い場所なのか。僕の場合「大所帯」というのが性に
合わなかったように思います。その反動から、最小単位の個人事
業主にたどり着いてしまった訳ですが。「作家」という職業が特
別だとは少しも思わないけれど、自分の居場所を見つけることが
できたのは特別なことだったのかも知れない。でもそれもコツコ
ツやってきた結果、真面目に積み重ねてきた結果。やっぱり特別
なことは何もやってない。続けられたことがすべてなのだと思う。
「作家さんらしい」作家さんに言わせたら、何を甘いことを!と
叱られてしまうかも知れない。実際に「普通じゃないオーラ」を
全身にまとった作家さんがいらっしゃるのも事実。良い悪いの話
しじゃなく、それがご本人や作品から溢れ出たものなのか、取っ
て付けたものなのかが問題。どうしたって不自然さは時間が経て
ばボロが出る。が、自然体なのにオーラが出まくっている作家さ
んにはもう敵わない。前から歩いてこられたら道を譲るしかない。
でもそんな人、会社の中とか取引先とかにもたまにいるでしょ?

願わくば、自分を見失うことなく続けてゆきたい。普通であるこ
とを受け入れて、普通に頑張るしかない。だってこれが僕の仕事
なのだから。家族を支えているのだから。何のことはない、木工
作家も普通の職業の中の一つで、僕も至って普通の人間なのです。













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